※SOLD OUT 【平敏子】 喜如嘉の芭蕉布着尺
- 2018年4月6日
- 喜如嘉の芭蕉布
素材:糸芭蕉
制作:平敏子
商品番号:1-095
着用シーズン:7月~8月頃の盛夏
おすすめ帯:琉球紅型帯、花織帯、琉球絣帯、お洒落袋帯、名古屋帯など
人類の衣生活は、植物の繊維を身に着けるところから始まりました。
エジプトで麻、インドでは綿、その地域で採れる植物で、
その地域にふさわしい衣を作る。
その多彩な天然繊維の中には、歴史の中で失われ、もはや古裂として、
あるいは文献の中にしか残っていないものも数多くあります。
染織の島、沖縄でも、かつてよく用いられていましたが、近代化と先の大戦の戦禍により、
消えてゆこうとしていた衣文化がありました。
芭蕉布もその一つで、世界で唯一受け継がれてきた希少な織物です。
琉球王朝の時代には、庶民から王族までその着物を身に着け、
また、清王朝の中国や、徳川幕府の日本への最上の貢物として用いられていました。
第二次世界大戦後、途絶えつつあった芭蕉布づくりを芸術の域まで高めたのが、
大宜味村・喜如嘉の平良敏子さんです。
戦時中、「女子挺身隊」として本土で働いていた敏子さんは、当時、
軍儒工場となっていた倉敷紡績工場の大原総一朗社長により、
染織の技術、そして、“織りの心”を学ぶ機会を与えられます。
そして終戦。
帰郷した敏子さんは、その後の半生を芭蕉布再建に捧げることとなりました。
芭蕉布の原料は、バナナ(実芭蕉)の仲間である糸芭蕉の繊維です。
その仕事は、糸芭蕉の笛を植える畑仕事から始まり、厚木を剥ぎ、
繊維を取り出し、糸をつくり、絣を結び、染め、繊細な糸が乾燥で切れないよう、
蒸し暑い部屋で丁寧に織り上げ、芭蕉を切り倒してから半年、
ようやく一反の芭蕉布の完成を見ます。
文明の速度とは逆行するような手作業の数々は、数百年前とほとんど変わっていません。
幾多の困難を越え、喜如嘉の女性たちが今に伝える芭蕉布。
ため息が出るほどの手数と時間、どの瞬間にも気を抜けない、
根気のいる手仕事の結晶が、この美しく、強い繊維なのです。
本島および奄美郡島の特産品で、薄く張りのある感触から、
夏の着物を中心に利用されています。
1974年(昭和49年)に喜如嘉の芭蕉布が国の重要無形文化財に指定されました。
1反の芭蕉布を織るために必要な芭蕉は200本と言われ、葉鞘を裂いて外皮を捨て、
繊維の質ごとに原皮を分けます。より内側の柔らかな繊維を用いるものほど高級になります。
平良敏子
大正10年2月14日大宜味村喜如嘉に生まれる。母・カナについて芭蕉布のほか、
木綿や絹の製織を学び、その後倉敷にて民芸運動の推進者だった外村吉之介に師事した。
帰省後は芭蕉布の制作と研究に取り組み、その成果は絣等の工夫を凝らした意匠や、
困難とされる藍染等植物染料による染めにおいても大いに発揮され、
現代感覚の冴えた作風を確立した。また糸芭蕉の栽培から仕立て上げに至る全工程を熟知しており、
戦後途絶えていたこの技法の復興と後進の育成に力を注いでいる。
平成12年芭蕉布で人間国宝に認定
※こちらの商品はご成約済みです。
この記事を書いた人
沖縄着物(琉球着物)『きもの58』の店長です。お客様にお喜びいただけるよう沢山の沖縄着物をご用意いたします。LINEでも来店予約を受け付けていますので気になる方は是非ご活用ください!!
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