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‘藍型(エーガタ)’とは…

2018年3月29日
きもの染織豆知識

どこの国でも、いずこの民族であれ、生活文化にとって衣料は重要な部分を占めます。

琉球紅型もそのひとつであり、尚王家の象徴として、沖縄唯一の染技法として、

「東洋の華布」との美称を受けるほどであります。この琉球紅型の染色技法の中に、

特別な呼ばれ方をし、藍色を主色とした技法が「藍型(エーガタ)」です。

 

紅型が沖縄の光り輝く昼の世界なら、「藍型」は群星瞬く夜の世界を表現しています。

また紅型が島の景色なら、「藍型」は島を囲む海の詩であります。岩に揺ぐ藻、磯を縫う魚の群、

多様な珊瑚、地上とは異なる景色が存在し、色調も独特な世界感があります。

 

多彩な色使いが一般的な紅型の染技を簡単に説明しますと、生地に型紙を置き、

糊で伏せて糊ののっていない部分に色を挿していく染色技法です。

対して「藍型」は藍濃淡で染上げる技法で、糊伏せした生地に藍の浸染で技法により、

藍型には独特な存在感が生まれます。沖縄を囲む海のごとく、華やかな藍色と、

海底のような静けさと強さを持ちます。染上げるまでにきわめて手間のかかる技法ですが、

手間のかかる技法でなくては見られない重圧さが「藍型」にはあります。

藍型は、型置きした生地を藍甕に浸し、浸染で藍色の発色を得ます。一定の色にしたのち

一度水元で糊を洗い流します。その後、部分的に糊伏せを施し、藍甕に浸し、干し場にさらし藍の発色を得ます。

何度かの浸染で目的とする濃度を得た後、また糊を落とし、さらに部分的な糊伏せを一度目とは違う所に行います。

そして再度、藍甕に浸します。この工程により、藍色の濃淡を作り出します。更にもう一度、糊を落とし、異なる部分を

糊伏せし、浸染することにより、数段階の藍色の濃淡を得ます。幾度も繰り返される糊伏せと藍の浸染染め。

この工程なしに「藍型」は生まれないのです。

 

藍染めは、「藍建て」と呼ばれる醗酵過程を経なければ染色できず、醗酵過程の良否が発色を左右します。

醗酵がうまくいかないとまったく染色できない年もあります。藍泥を溶くアルカリ液のペーパー管理、

醗酵菌を活性化させる為のブドウ糖、アルコールの加え方、量、そして温度管理。

藍華が立ち、染色可能になってからは違う形の困難さが待っています。藍染が日々できるよう維持管理

しなければなりません。「藍建て」後も毎日の攪拌が必要とされること、温度管理、藍液のペーパー維持、

等々、藍の状態を目・手・舌で感じなければならないのです。「藍型」はマニュアル化不可能な染技であり、

経験とカンに頼り、習得する為にはひたすら時間をかけるしか方法はないのです。

 

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沖縄着物(琉球着物)『きもの58』の店長です。お客様にお喜びいただけるよう沢山の沖縄着物をご用意いたします。LINEでも来店予約を受け付けていますので気になる方は是非ご活用ください!!

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